【食レポ】ラーメンの歴史を変える『大重食堂』のサイフォンラーメン。風味豊かな、出汁香るスープ。

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“サイフォンラーメン”をご存じでしょうか。コーヒーを抽出するためのサイフォンを使って出汁を取るラーメンのことです。

そのサイフォンラーメンで有名なお店が、今回の『大重食堂』です。

大重食堂のラーメンは、豚骨ではなく削り節をはじめ様々な食材から出汁を取って作られています。あご・羅臼昆布・牛節・豚節・鶏節・河豚節・鰹節・真鯖節・鰯節。

これらの素材を内部が真空のサイフォンにかけることで、旨味や香りを逃さずにスープを作ることができるんです。

今回は天神にある今泉店にお邪魔してみました！

お店の外観

大重食堂

店舗は西鉄今泉ビルの1階。飲食店が並ぶ中にお店を構えています。黄色いダルマのキャラクターが目印です。

まずはお店の外の券売機で食券を買います。ラーメンは、1種類。『純らーめん七節』です。季節限定商品もありますが、定番は1種類しか設けていないところに、こだわりの強さを感じますね。

お値段は実に950円。ラーメンの金額としては少し高いように思います。しかし食べて頂ければ分かると思いますが、この金額は決して高くありません。それほど美味しいラーメンに出会えます。

今回は、ハバネロを練り込んだ替玉麺『辛玉』も注文してみました！

ちなみに夏の季節限定麺は、『夏野菜と豚しゃぶのざるらーめん』です。麺を夏野菜と一緒に、岩塩プレートに乗せて食べるという斬新な一品。次回は絶対これを食べてみようと思います…！

食券は紙ではなく、なんと木札！これだけでもちょっとわくわくしてしまいますね…♪

お店の中はこんな感じです。カウンターが6席ほどと、奥にテーブルも2卓ほど見えます。

驚くべきはカウンター。畳です。だからだと思いますが、お店の中は畳の香りが！すごいこだわりです…！

他のお客様がいたので近くで写真は撮れなかったのですが、カウンターの上に並んでいるのが、スープを抽出するためのサイフォンです。素材をぐつぐつと沸騰させて抽出させています。

こちらのやかんは、なんと蛇口になっています。やかんを手前に倒すとお水が出てくる仕組み。ラーメンを待っている間もわくわくできる仕組みですね♪

カウンターの手元は引き出しになっていて、お箸やレンゲ、おしぼり、小皿などが入っています。

いよいよラーメンが来ました。

トッピングはチャーシューと煮卵、きくらげ、ネギ、のり。何よりも凄いのは、スープの香り。あごや鰹節、鯖節など魚介の香りが強烈に立ち上ってきます。それだけでなく、複雑で豊かな香りがとにかく上品で素晴らしい。

澄み渡るスープは油分も少なめ。口に運ぶと、驚くほど複雑で旨味が詰まった味。魚介だけでなく動物系の出汁もしっかり感じられます。出汁を活かすために、塩分や甘味はほとんど加えられていないと思います。だからこそ出汁の旨味がダイレクトに感じられる仕上がりになっています。

麺は細めのストレート麺。豚骨ラーメンより太目な面は、スープに絶妙に絡みます。

煮卵は半熟。出汁と醤油ダレで付け込まれていますが、隠し味に何かを加えているのか、不思議な旨味を感じます（明確に分からずすみません…）。

そしてチャーシューは不思議な形。噛むと、わりとがっしりとした噛み応え。焦がしている部分は香ばしく、肉の美味しさも味わえておいしい…！

味変え用の“トッピン具”は3種類用意されています。梅もやし、ゆずこしょう、そしてふりかけ。どれも美味しそうで試してみたい…！ということで、全部試してみました！

梅もやしはシャキシャキで爽やかな味。出汁の風味豊かなスープにピッタリで、ラーメンの印象がガラッと変わります。

ゆずこしょうは辛みがアクセントになって、スープにキレが出ます。

そしてふりかけは、サイフォンで出汁を取ったあとの素材を乾燥させたもの。旨味がたっぷりで、香りもより豊かになります。

トッピングの全てがハイレベルで、ラーメンをよりおいしく演出してくれます。

そしてこちらが、ハバネロを練り込んだ麺『辛玉』です！見るからに辛そう…。スープにも辛みが溶け出して、さらに別の味へと変わります。

辛いモノが好きな方は、ぜひ食べてほしい替え玉です！

スープがとにかく美味しかった、大重商店のラーメン。あまりに美味しかったので、最後の一滴まで飲み干してしまいました。塩分がさほど濃くなく、化学調味料不使用なのでイヤな後味も一切ありません。

飲み干した器の底には、メッセージが。入店から退店まで、とにかく驚きに満ちたお店でした。

豚骨ではないラーメンで、こんなに美味しく、また絶対に来たいと思えるお店はなかなか無いかと思います。わざわざ食べに行く価値のあるお店だと自信を持ってオススメします！